練習には完全復帰。試合出場については……
“おっさん”になった。
11月19日にブンデスリーガ第11節、対ヴォルフスブルク戦を控えるFCシャルケ04は、現地時間16日の午後15時過ぎから、ゲルゼンキルヘンの練習場でトレーニングを行った。
軽いランニングを終えると選手たちは、等間隔に配置された白いポールを順に周りながらボールを回して、ウォーミングアップをこなした。トレーニングには冒頭から内田篤人も参加。右足、ときおり左足も使って仲間とボールを交換した。
[3対3+2フリーマン]のメニューでは、内田にベンタレブやコラシナツがガツガツ当たる。内田もラインを割りそうなボールを、スライディングで拾うなど、積極的な姿勢を見せた。
続くシュート練習では力強いキックを披露。ゴールの両脇に2名の動かない選手を置いた[4対4]のミニゲームでは、右サイドで縦パスを入れ、さらにはゴール前でシュートを決める。肌寒い曇り空の下、精力的に取り組んだ。およそ1時間の練習を終えて、内田は「一番、今の俺にキツイ練習。心肺機能がヤバイやつ」と振り返った。
試合に出場するための体力については「まあ、試合をやっていないのでなんとも言えない」と軽妙に語る。
「試合やんないと分からないからね。こういう練習をやっていても、そんなに運動量がないとしても紅白戦の方がやっぱりキツイし。だから、まあ、ぶっちゃけ分からない」
実際にはトレーニングに「2週間前くらいから」完全復帰していたという。
「みんなからメールが来たけど、いや俺もうしてるしって(笑)」
例えば、トレーニングを1時間やって違和感はないのだろうか。
「でもたまに外される、勝手に。たぶん、もうね、あれなんだと思う。ここから先はずーっと、たぶんサッカー終わるまで、どこかで抜きながらなんだと思う。たぶん、負荷をたまに上げないようにしているんだと思う」
離脱中にメンバーは大分変わったが、新しいチームに入ったような感覚はない。気付けば内田も、ヘーヴェデス、フンテラールと並んで最古参。チームメイトからは「何かもう、おっさん扱いされている」のだそうだ。
「もうずっとここでやっていますし、一番古いし、年齢も上になったから。28歳。たぶん下、あんまいない。あ、上か。数えるくらいしかいない」
16日のトレーニングの翌日、もしくは翌々日あたりに、ブンデスリーガの試合に出場するために必要なドクター・チェックを受ける予定だ。シーズンが始まる前に選手たちが受けるもので、内田も毎年受けている。しかし今季はまだ受けていなかった。
後はヴァインツィール監督に呼ばれるのを待つだけだ。
(取材・撮影・文:本田千尋【ゲルゼンキルヘン】)
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