サウジを翻弄したパススピード。CB陣からの縦パスが攻撃の起点に
サウジアラビアに2-1で勝利した日本代表は勝ち点を10とし、グループの2位で最終予選の前半戦を折り返すこととなった。
UAEとの開幕戦に敗れ、10月のイラク戦では後半アディショナルタイムのゴールで薄氷の勝利を得るなど、ホームでも厳しい戦いを強いられてきたが、首位のサウジアラビア戦を「雰囲気を何とか変えたい」(原口元気)という思い通りの流れを手繰り寄せる結果となった。
この試合の勝因をあげればヴァイッド・ハリルホジッチ監督が「躊躇無く良い選手を選んでプレーさせた」と語る通り、実績にとらわれず思いきった選手起用を行ったこと、アウェイで堅実に戦ったオーストラリア戦とは一変し、高い位置からプレッシャーをかけてアグレッシブに攻撃人数をかけた戦い方など、いくつかの要因が挙げれる。
そうした1つ1つの要素が噛み合う形で、いわゆるハイインテンシティな試合運びを実現した形だが、目を見張ったのはサウジアラビアのプレッシャーをも翻弄するパススピードと、それらを引き出す受け手の素早い動き出しだ。現在の目標はアジア最終予選を突破することであり、指揮官も最近はあまり口に出さなくなっているが、最終目標はその先にある。
「高いインテンシティでプレーするっていうのが監督の目標でもあるので、それに沿ったテンポでやらないといけない」
そう語る吉田麻也は“イングランドで通用するようなボール”を心がけることでパススピードを上げ、それがチームにも影響するように意識しながらプレーしているようだ。そのスタンスでサイドチェンジやショートパスもそうだが、縦に付ける速いパスを織り交ぜることで、攻撃の流れを作ろうとしていた。