本田圭佑【写真:Getty Images】
【日本 2-1 サウジアラビア 2018年ロシアW杯アジア最終予選】
日本代表は15日、ロシアW杯アジア最終予選でサウジアラビア代表と対戦し、2-1で勝利を収めた。
「みんな良かったんで、みんなに聞いてやってください」
ミックスゾーンに姿を現した本田圭佑は、それだけ言い残すと足早に去っていった。
この日、ベンチスタートとなった背番号4だったが、久保裕也に代わって後半開始からピッチに立った。自陣での不用意なプレーも見られるなど、本来の動きからはほど遠かった。それでも80分、左サイドに流れると長友佑都のオーバーラップに完璧なタイミングでパスを通し、原口元気のゴールの起点となった。
勝利に貢献はしたが、満足できる内容ではなかったはずだ。11日のオマーン戦後にはヴァイッド・ハリルホジッチ監督から「リズムが足りない」と指摘されている。パフォーマンスは上がらず、サウジアラビア戦でのスタメン落ちの可能性があった中で、実際に前半はベンチから戦況を見守ることとなった。
指揮官の発言について本田は「ギャップは感じている」とし、スタメンについては「それは監督が決めること」と尊重する姿勢を見せた。一方で「外すという選択をするってことはいろんな意味があるということだと思う。監督が説明する義務がある」と述べている。さらに「自分自身が納得できるものであれば当然ながら受け入れる」とも。
サウジアラビア戦の後半からプレーした本田。ミスもあったが、裏へ飛び出すなど積極的な姿勢も見せた。ただ、ミックスゾーンでの対応を考えれば、自身のパフォーマンスには満足していないのだろう。ハリルホジッチ監督の決断にも思うところがあるのかもしれない。
現状を打破するには常時プレーできる環境に身を置くのが近道だろう。ハリルジャパンでもベンチスタートを経験した大黒柱は、この“屈辱”をどう乗り越えるだろうか。
(取材:元川悦子、文・構成:編集部)
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