ハリル流守備ブロックのコンセプトとは何か? 想定外のイラク戦と想定内の豪州戦
11月11日に行われるオマーンと親善試合は最終予選のサウジアラビア戦に向けた重要なテストになる。もちろん勝利して自信を強めることも重要だが、首位のサウジアラビアを相手にホームで勝ち点3を獲得するために必要なテストをしっかり行っておく必要がある。
コンディションや細かい戦術の連携を確認できることは4日後のサウジアラビア戦に向けた大きなメリットだが、大きな枠組みとしては4つの項目があげられる。「【1】守備ブロックの設定」「【2】前線のオプション強化」「【3】不安なポジションのテスト」だ。もう1つ「攻守のセットプレー」もキーポイントになるが、ここでは3つの項目について書きたい。
【1】守備ブロックの設定
「守備には3つのブロックがある。高い位置、中間、低い位置だ」
これはハリルホジッチ監督が昨年3月の就任時から言ってきた守備の基本コンセプトだ。その3つを相手や状況に応じて使い分けるわけだ。それは監督が対戦相手の分析に応じて選手に伝える場合と試合中に選手が判断する場合がある。一番まずいのはチームの意識が統率されないまま、ずるずる守る時間帯が続いてしまうことだ。
10月の2試合はホームのイラク戦でうまく守備がはまらず、イラクに対して想定していたよりも低い位置で守る時間が長く、後手の対応を強いられる時間帯もあった。そしてオーストラリア戦は負けが許されない状況で意図的にラインを下げて対処する時間帯が長く、「3つのブロック」の最も低い位置で構えることにより相手の攻撃を封じた。
つまり自分たちのゴール前16メートルからすぐ手前に最終ラインを構え、中に入ってくるボールホルダーを迎撃する戦い方だ。オーストラリア戦は原口元気がPKを与えるに至った一連のシーンなどをのぞけば安定した守備を維持することができたが、代わりにチャンスがロングカウンターに限定された。