号泣した田中マルクス闘莉王【写真:ダン・オロウィッツ】
悲しみに暮れる瑞穂陸上競技場、号泣する田中マルクス闘莉王の姿がそこにあった。
明治安田生命J1リーグ最終節が3日に行なわれ、名古屋グランパスはホームで湘南ベルマーレと対戦した。
年間通算成績で既に最下位(18位)のアビスパ福岡と17位の湘南ベルマーレのJ2降格が決定していた。試合開始時点で降格圏内の16位に位置していた名古屋だったが、湘南に1-3で敗れJ2リーグへの降格が決まった。この試合にDFとして先発出場を果たしていた闘莉王は、試合終了後の挨拶で人目をはばからず号泣していた。
2010年に浦和レッズから名古屋に加入して以来5年間に渡って同クラブで活躍してきた闘莉王だが、2015年シーズンを最後に2016年1月9日にクラブを退団することを発表した。
それでも今季古巣が降格圏内に沈む苦境に立たされると、小倉隆史監督の“休養”宣言後にボシュコ・ジュロヴスキ監督代行が名古屋復帰を明言した。9月には新潟アルビレックス戦で公式戦293日ぶりにピッチに立ち、18戦白星なしだったチームの勝利に貢献している。
しかしながら、湘南戦では闘莉王が自陣深くでまさかの転倒。ボールを奪われ、あと湘南に1点と迫る1-2の状態で痛恨の追加点を奪われてしまった。そのまま1-3で試合終了。闘莉王にとっては悔やんでも悔やみきれない結果に終わっている。
オリジナル10として1992年のJリーグ発足に携わった名古屋だったが、24年目にして初めての降格となった。“闘将”はチームの危機を救うことはできなかった。
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