クロップ・リバプール、定着しつつある「速守速攻」のスタイル
今季のリバプールは一味違う。ユルゲン・クロップ体制2年目を迎えてようやく独特のスタイルがチームに定着し、安定して力を発揮できるようになってきた。
プレミアリーグ開幕から10試合を終えて負けたのは第2節のバーンリー戦のみ。特筆すべきは攻撃力で、首位のマンチェスター・シティと並んで24得点を挙げている。1試合平均にならすと2.4点で、中位並みの失点数でも競り勝てるチームになった。
すでに4得点以上奪っている選手は4人(コウチーニョ、ミルナー、マネ、フィルミーノ)おり、シティの2人(スターリング、アグエロ)よりも多い。どこからでも点を取れるのが今季のリバプールの強みになっている。
クリスタル・パレス戦でもその攻撃力が爆発し、お粗末な2失点を帳消しにする大量4ゴールで勝ち切った。そのスタイルは言うなれば「速守速攻」で、クロップ監督がドルトムント時代に志向したものに近い。
ボールを奪われれば即座に複数人で相手を囲い込み、できるだけ早く確実に奪い返して攻撃に転じる。ボールを持って前を向けば、最短でゴールにたどり着ける道を探し、一気に襲いかかる。
サイドバックも状況に応じて高い位置を取り、ペナルティエリア内に4~5人が侵入していることも珍しくはない。クリスタル・パレス戦の1点目の直前、フィリッペ・コウチーニョが起点となるパスを出す際に5人が相手ディフェンスラインの裏を狙って飛び出そうとした。