前回対戦からグレードアップした浦和
“あの時”の再現をさせてくれるほど、浦和レッズは甘くなかった。
明治安田生命J1リーグ2ndステージ第16節、ジュビロ磐田は浦和に0-1で敗れた。しぶとく相手に食らいつき、有効な攻撃を繰り出させないまま前半を終えることができた。失点する72分までの、守備におけるパフォーマンスは上出来だった。
後半もペースを握られながら、それでも最後のところでは大井健太郎が、藤田義明が、カミンスキーが身を呈してブロックする。90分間、ボールポゼッションで圧倒されるのは磐田としては想定内だった。
『いつもと違う』と感じさせることができれば磐田にも可能性はあった。しかし、攻撃のバリエーションが豊富な浦和は、シュートがクロスバーとポストに嫌われても全く焦ることがなかった。この試合の勝利で2ndステージ王者となった強豪は、ピッチを広く使い、最後はサイド突破からのクロスでネットを揺らした。
力の差があることは誰もがわかっていた。一方で、彼らから勝ち点3を奪い取った自信もあった。結果を残すための準備も周到に進められていた。
それでも、サックスブルーは厳しい現実を突きつけられている。エコパスタジアムのピッチには、前回対戦からグレードアップした浦和と、課題を露呈し続ける磐田の姿があった。
【次ページ】「あの時とは全然違うと思う」(宮崎智彦)