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スタメン落ちの長谷部誠。ボランチで出場するために必要なこととは?

ブンデスリーガ19節、ボルフスブルク対シュツットガルトで長谷部誠はベンチスタートとなった。本人の希望はボランチでの出場。今はこの位置でのポジション確保に至っていないが、長谷部には何が必要なのか。

text by 植田路生 photo by Ryota Harada

激化するボルフスブルクのポジション争い

 ボルフスブルクはウィンターブレイク中に大きな動きを見せた。まず、ニュルンベルクのヘッキング監督をヘッドハンティング。シーズン中に同じカテゴリーのクラブの監督を招聘するなど前代未聞の出来事だが、やってしまうあたりがボルフスブルクらしい。メインスポンサーのフォルクスワーゲンからの潤沢な資金提供がある故にできたことだろう。

 さらに、ボルシア・ドルトムントからはイワン・ペリシッチを獲得(移籍金800万ユーロの完全移籍)。このクロアチア代表MFはベルギーリーグ得点王の肩書きを引っさげてドルトムントに加入したものの、香川、ゲッツェ、グロスクロイツ、ブワシュチコフスキの壁が厚く、なかなかレギュラーを掴めずにいた。香川がマンチェスター・ユナイテッドに移籍後もロイスの加入でベンチを温める状況は変わらず、出場機会を求めての移籍だった。

 チーム力は向上した。だが、心配なのは長谷部誠だ。どの監督であろうとコミュニケーションがとれていただけに、新監督についてはさほど問題はないだろうが、ペリシッチは移籍金を払って獲得した選手。しかも、ボランチを本職とする長谷部と比べると、攻撃のバリエーションや得点力の増加が期待できる。しばらくは使ってみて、“品定め”をすることは十分に考えられた。

 迎えたブンデスリーガ第18節、ホームのシュツットガルト戦。嫌な予感は的中してしまう。長谷部はベンチスタート。定位置を確保していた4-2-3-1の3の右にはペリシッチが入った。

 長谷部は後半途中から出場し、ボランチ、右サイドハーフと2つのポジションでプレーし、“守備固め”というミッションを難なくこなした。勝利に貢献したものの、このような便利屋的な使われ方は本人の望んでいることではない。

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