残留争い、優勝争いの真っ只中にある両クラブ
アルビレックス新潟は年間14位と残留争いの渦中にいる。しかし、追い風も吹いている。吉田達磨前監督から片渕浩一郎監督に指揮官を交代して迎えた前節、磐田に乗り込むと後半終盤の決勝ゴールで2-1と勝利。アウェイで大きな大きな勝ち点3を手にした。
吉田氏時代に培ってきたスタイルは、確かに道半ばで頓挫してしまった。だが、新指揮官は全てを変えるのではなく、前任者が植え付けたエッセンスを残しながら新潟本来の持ち味であるハードワークを肉付けした。磐田戦では、テンポのいいパスワークとアグレッシブさが同居したサッカーを披露。ショートカウンターの迫力も蘇った。連敗を4で止める1勝は、チームに希望をもたらしたはずだ。
対する浦和レッズは明治安田生命J1リーグ2ndステージ制覇に邁進している。さらに、15日に開催されたYBCルヴァン杯決勝では、“宿敵”ガンバ大阪をPK戦の末に下し、13年ぶりの優勝を果たした。カップ戦で頂点に立ったこの成功体験を忘れることなく、リーグの覇権も奪いたいところだろう。
一発勝負でも粘り強く勝利を引き寄せ、強者にふさわしいチームになっている。大一番で涙を飲んできた、以前の浦和ではない。選手層を考えれば、もっと多くのタイトルを手中に収めていなければならない。だが今後、黄金時代が訪れる気配は確かにある。
ステージ2位・神戸との勝ち点差は5。他会場の結果にもよるが、今節の新潟戦に勝てばステージ制覇の可能性もある。そして、年間首位もぐっと近づくことになり、最高の流れでチャンピオンシップに向かうことができる。