香川、今季初のCLでフル出場も…感慨はなし
充実の表情はなかった。2016年10月18日のチャンピオンズリーグ(CL)グループF第3節、ボルシア・ドルトムントはアウェイでスポルティング・リスボンと戦った。
スポルティング戦で香川真司は先発出場する。今季CL初戦レギア・ワルシャワ戦、続くレアル・マドリー戦では出番のなかった香川だが、ようやく2シーズンぶりに欧州最高峰の舞台に帰ってきた。しかし本人に、感慨のようなものはない。
「まあ、特別何かに浸るわけではないですし…」
そもそも怪我人が続出して、チームは苦しい状況が続いている。スポルティング戦のベンチにはU-19からCBのブルニッチだけでなく、U-23からGKボンマンが入った。同時にGKバイデンフェラーも名を連ねている。2人のGKがベンチに座る状況が、ドルトムントのチーム編成の苦しさを物語っている。
そして何より、自分自身が納得の行くパフォーマンスを示すことができなかった。
「こういう怪我人も出た時期に、求められるものであったり、自分自身も結果という意味で求めていた中で、そこは残念です」
9分にドルトムントは先制する。ゲッツェのアウトサイドのキックから、オーバメヤンが右サイドを抜け出してゴールを奪う。43分にはバイグルがエリアの手前でボールを奪い、そのまま1人交わして豪快にミドルを叩き込んだ。
前半、香川にはボランチのエリアスがマークしてきたが、それでも何度か前を向くことはできた。しかし決定的なチャンスを演出することはできない。38分に香川が前を向くと、3対3の状況を迎える。しかし香川のラストパスは長過ぎて、オーバメヤンには合わなかった。スポルティング戦で香川はボールを大事にし、確実に繋ごうとしたが、アシストを記録することはできなかった。