激減する岡崎の出場機会。CLでは「まさかのベンチ外」
日本代表のワールドカップ・アジア最終予選、イラクとオーストラリアとの2連戦へ向けて英国を飛び立つ数時間前。レスターの岡崎慎司はプレミアリーグ、公式戦ともに3試合ぶりにピッチに立った。
試合自体は見どころがない内容だった。組織が整備されたサウサンプトンが上手なサッカーをするのに対して、レスターは講ずる策がまるでないチームに映った。
守備では前線からのプレスがまるで効いていないため、低い位置まで引いて数をかけて守ることに専念。数回訪れたピンチは、サウサンプトン攻撃陣の決定力不足に助けられて失点は免れた。攻撃も、自陣から前線へ大きくボールを蹴り、その着地点にジェイミー・ヴァーディーやイスラム・スリマニがいれば儲けものというような単調なものばかり。相手のパスミスから好機を作ることはあったとはいえ、決定的な場面は見られなかった。
そんな行き当たりばったりのサッカーを繰り返すレスターに変化を加えたのが、岡崎だった。途中交代直後の後半22分にはスリマニへ好スルーパスを出して、いきなりチャンスを演出。その後も積極的なプレッシングを仕掛けるなど、チームに勢いを与える。
同30分には自らゴールを狙う好機が訪れる。デマライ・グレイの左サイドからのクロスに、ニアサイドに入った岡崎が後方に倒れながら絶妙なヘディングシュート。ゴールへと向かったボールはポストのわずか右に外れたが、スタジアムではこの日一番の歓声が沸いた。
最終的に0-0で試合は終了。それでも、冴えないプレーが目立ったレスターの攻撃陣では存在感を示した内容に、岡崎本人は「楽しい(笑)。動くスペースもいっぱいあった。流れも一気に悪くなりつつあるところを変えたと思う」と満足げな表情を浮かべた。
試合出場は、9月20日に行われたリーグカップ3回戦、対チェルシー戦以来2週間ぶりだった。それ以前の公式戦もチャンピオンズリーグ(CL)のクラブ・ブルージュ戦、プレミアリーグのバーンリー戦と2試合出番なし。特にブルージュ戦では、本人だけではなく、誰もが予想しなかった「まさかのベンチ外」でガックリと肩を落とした。
それだけにチェルシー戦には強い意気込みを見せ、しかも2得点を決めて結果を残した。だがその後に待っていたのは、2試合連続の出場機会なしという状況。特に9月27日にホームで行われたCLのポルト戦ではリードした展開となり、逃げ切るためには守備にも貢献できる岡崎の起用が妥当と思われたが、最後まで出番は回ってこなかった。