香川真司【写真:田中伸弥】
【日本 1-1 オーストラリア 2018年ロシアW杯最終予選】
日本代表は11日、ロシアW杯アジア最終予選でオーストラリア代表と対戦し、1-1の引き分けに終わった。
トップ下でフル出場した香川真司だが、この日も違いを生むようなプレーは影を潜め、守備に追われた。「1-1という状況だが、今日の試合に関してはこれ以上やれることはなかったのかなと思う」と、主導権を握られた一戦を振り返った。
オーストラリアにボールを持たせるゲームプランの中で、守備から攻撃への素早い切り替えで先制点は奪った。しかし、ボールはなかなか落ち着かず、そうした展開の中で香川も埋没した。
「中盤からディフェンスラインの選手たちが下がってしまった。それはわかっていたけど、そこから押し上げていくっていう意味では、前線との距離があった。サイドを中心にカウンターでしかチャンスが、そこで起点を作る以外になかなか筋道が見えなかったのが、大きな課題だと思う」
主体的に攻撃を構築するには高い位置からのプレスが必要だと香川は言う。
「どこから限定させて連動してチームが前に行けるのかという意味では、今日は前線からプレスに行ったシーンは数えるくらい。後半、あれだけラインを落とされた中で攻撃をするのはなかなか厳しいと感じるゲームだった」
課題が浮き彫りになる中、グループ最大のライバルからアウェイで勝ち点を取ることはできた。「面白くない戦い方かもしれないけど、僕たちはまず最終予選を突破することが大事」とW杯出場権確保の重要性を説いた。それでも、「オーストラリアはアジアの中ではいいチームかもしれないけど、こういうチームに対してもっと自分たちはやらなきゃいけない」と、物足りなさも口にした。
ただW杯でも今回のような展開になることは十分に予想でき、香川も「こういう戦いになるんじゃないか」と話している。課題と向き合うことで、世界との距離はより鮮明に映るのではないだろうか。
(取材:元川悦子、文・構成:編集部)
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