本田圭佑【写真:田中伸弥】
【日本 1-1 オーストラリア 2018年ロシアW杯最終予選】
日本代表は11日、ロシアW杯アジア最終予選でオーストラリア代表と対戦し、1-1の引き分けに終わった。
本田圭佑は1トップでのプレーについて満足していなかったが、中央のポジションで存在感を見せたのは事実。アシストも記録した。本人は「幼少期からああいうふうにプレーしてきたから。言うたら20年近くはあの感覚でプレーしているから、楽しいというか、こういうぶっつけ本番でもあれ1本出せたっていうのは、自分自身にホッとしている部分もある」と安堵していた。
むしろ、現在の主戦場である右サイドは始めてからまだ日が浅い。「サイドで腹をくくってやっている今のプレースタイルなんて、2年くらい。サイドやっていると自分が下手になっているんじゃないかと思う時がある」と苦笑いを浮かべた。
ポジションも違えば、求められる役割も違う。そのギャップに戸惑うことがあるようだ。
「(サイドは)仕掛けたりとか危ないプレー、リスクを背負うプレーをするでしょう。でも今までの自分はそうではなかった。いかに(ボールを)取られないか、いかに相手を引き出して食いつかせて、ちょんちょんってやるかとか。ゲームメーク側やったところが、いわゆるミス大前提の危ないプレーをサイドでは求められている。年が経つごとにサッカー上手くなるというけど、俺の場合、逆に下手になっているんちゃうかなっていう」
サイドでのプレーと向き合っている本田は、そのポジションで「不安」も感じているというが、「不安になるのを安心させる、真ん中でのプレーだった」と振り返った。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「わざとオーストラリアにポゼッションをさせた」と話したが、中盤でのパスカットから得点に結びつけたことを考えれば、戦い方がある程度はまっていたと見ることもできる。それでも、本田は「ビデオは見たいなと思っているが、課題は多いなと。たぶん、全員満足していない」と述べた。
試合内容について思うところがあるようで、こう語った。
「支配“させる”という感覚で前半はちょっとだけいられたけど、後半は支配“される”に変わったと思う。これは大きな課題やと。後半も支配させるというゲームプランのまま、2点目を狙いに行けていればもう少し評価できたと思うが、後半はちょっと反省のほうが多かった」
あえて相手にボールを持たせていたのが前半だとすれば、後半はペースそのものを握られてしまった。本田はそこを問題視している。一刻も早く解決しなければならないだろう。
(取材:元川悦子、文・構成:編集部)
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