エクアドル代表のエネル・バレンシア【写真:Getty Images】
警察の追跡を逃れるため、試合中の体調不良を装ってスタジアムからの“脱出“を図ろうとしたのだろうか? エクアドル代表FWエネル・バレンシアがワールドカップ予選の試合で起こした騒動を、6日付のエクアドル紙『エル・コメルシオ』など各国メディアが報じている。
プレミアリーグのエバートンに所属するE・バレンシアは、エクアドル代表としてロシアW杯南米予選の試合に出場するため帰国したが、同選手に対して“逮捕令状“が出されたことが報じられていた。娘に対する養育費の4ヶ月分、約1万7000ドル(約176万円)を支払っていないことに対するものだった。
娘の母親の弁護士は、試合前日に警察を伴ってエクアドル代表の練習場を訪れたが、チームバスに乗って立ち去ったE・バレンシアを逮捕することはできず。現地時間6日にキトで行われた試合の際にも、弁護士と警察はスタジアム入りするE・バレンシアを待ち伏せしたが、チームメートらによる妨害もあって同選手は逮捕を逃れたという。
結局、E・バレンシアはチリとの試合に先発で出場。警察は、試合後に改めてE・バレンシアを拘束すべく待ち構えていたようだ。だが、後半残り10分を切ったところでE・バレンシアは試合を離脱。酸素マスクを口に当てた状態でカートに乗せられてピッチを後にした。10名あまりの警官がカートの後を追う中で、E・バレンシアは会場内に停められていた救急車へ移され、スタジアムを後にしていった。
試合後の逮捕を逃れるため、E・バレンシアは高地での試合による体調不良を装って救急車での逃亡を図ったのではないかとの見方も伝えられた。だがエクアドルメディアによれば、E・バレンシアは警察に伴われて病院へ向かったとのことで、逃亡に成功したわけではないようだ。その後、E・バレンシアの代理人は、逮捕令状を撤回することが双方の弁護士により合意に至ったことを明らかにしている。
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