強烈なインパクトを残した清武と原口
「最終予選っていうか、ワールドカップと時代は待ってくれない。どのみち絶対、世代交代はしなきゃいけないので、僕らの世代が自覚と責任を持ってやんなきゃいけないかなと思ってます。そういう思いは(同世代の)みんなが持ってるし、結果出してるってところはすごく尊敬できるなと。自分も負けてられないなっていうのはあります」
9月1日の2018年ロシアワールドカップアジア最終予選初戦・UAE戦(埼玉)から3試合連続フル出場している酒井高徳(HSV)が語気を強めたように、彼らロンドン五輪世代の日本代表押し上げ機運が、ここへきて一気に加速している。
6日の第3戦・イラク戦(埼玉)も、劇的勝利を引き寄せる原動力となったのは、ロンドン世代以下の面々だった。
引き分け以下なら進退問題に発展しかねなかったこの大一番で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督はトップ下を香川真司(ドルトムント)から清武弘嗣(セビージャ)へとスイッチ。左サイドも9月のタイ戦(バンコク)に続いて原口元気(ヘルタ)を起用した。
その2人が前半26分の先制点を見事に演出してみせる。原口の自陣での守備からパスを受けた清武は、思い切ったドリブルで持ち上がって右に開いた本田圭佑(ミラン)に展開。その背後を抜け、リターンパスを折り返したところに、ヒールで合わせたのが原口だったのだ。
「ああいう、出して追い越すって動きはアジアではついてこないし、それは分かってたこと。まあ元気が決めてよかったなと思います」と清武が言えば、原口も「あのボールの取り方は僕、得意なんで。その後、出て行って、キヨ君と圭佑君がいいコンビネーションで崩してくれたんで、少しラッキーな部分はありましたけど、決まってよかったなと思います」と安堵感を吐露する。2人が残したインパクトは非常に大きかった。