「ホーム2連勝」という低くないハードル
J1残留への扉が少しずつ小さくなる一方、『降格』の二文字目は見えて大きくなっている。ジュビロ磐田は、正念場を迎えた。
「ホーム2試合で2連勝すれば、今シーズンの最低限の目標である残留を達成できる」
明治安田生命J1リーグ2ndステージ第13節・湘南ベルマーレ戦の前日、名波浩監督の言葉だ。そして、湘南戦がスコアレスドローに終わった後は、昨シーズンの終盤戦を引き合いに出し、選手たちの奮起を期待した。
「J2の時と一緒で、残り2試合で勝ち点4を取ればフィニッシュだから。そういう意味では横浜FC戦で引き分けて、さあ大分に乗り込もうというのと同じだと思う」
第41節で0-0、迎えた最終節を2-1で勝利し、J1復帰を決めた当時のシチュエーションの再現を狙った。とはいえ、今シーズンの2ndステージで1勝しか挙げられていないサックスブルーにとって、ホーム2連勝は低くないハードルだった。
アルビレックス新潟戦に向けては「勝ち点を与えないことが最優先だけど、最初からドロー狙いというつもりはもちろんない」と話していた中、試合終盤は引き分けも考えた戦いをするよう選手たちに伝えた。
ジェイは前半開始早々に脛を痛めていた。セットプレーから同点ゴールを挙げたが、流れの中での怖さが鳴りを潜めたことで、得点の雰囲気は皆無。実際、磐田が放った後半のシュート数はわずかに1本。負けが許されない状況でのドロー狙いは当然の判断だったが、1-1のままクローズすることもできず、新潟の選手、スタッフ、サポーターが喜びを爆発させる姿を見つめるしかなかった。