絶対に落とせないG大阪、一気に突き進みたい浦和
Jリーグの歴史を振り返ると、“黄金カード”というものが存在する。開幕初期は横浜マリノス(現横浜F・マリノス)とヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)、1999年代後半から2000年前半にかけては鹿島アントラーズとジュビロ磐田がリーグを盛り上げた。
そして、2000年代中期、J1は浦和レッズとガンバ大阪を中心に回っていた。浦和は2006年、G大阪は2005年にリーグ制覇を達成。さらに特筆すべきはアジアチャンピオンズリーグでの活躍だ。浦和が2007年にアジアの頂点に立つと、翌2008年にはG大阪も続く。Jリーグクラブが2年連続でアジアを制したことは、現在日本勢が苦戦していることを見ても、やはり快挙だったといえるだろう。
その後、停滞する時期もあったが、彼らは今もJ1トップクラスのチームだ。G大阪は2014年に国内3冠達成。前年はJ2での戦いを余儀なくされていたが、その陣容が国内最高峰であることをタイトル独占という形で証明した。
浦和はタイトルから見放されているとはいえ、毎年優勝争いに名を連ねている。今季こそは、という気持ちで戦っている。キャプテンの阿部勇樹は、今節のG大阪戦に出場すれば、史上6人目となるJ1通算500試合を最年少で達成することとなる。中盤の底で攻守の舵を取るキャプテンは、節目の一戦であっても普段どおりハイレベルのプレーを見せることだろう。
コンビを組む日本代表の柏木陽介は前節、バイタルエリアで巧みにタメを作って前を向くと、相手守備の間を縫う素晴らしいパスを供給し、ゴールに結び付けている。
G大阪のボランチは遠藤保仁と井手口陽介が組みそうだ。井手口はボール奪取が特徴の新鋭。リオ五輪では若さが出るシーンもあったが、チーム復帰後もパフォーマンスは良好。日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督も評価しているようで、今後の飛躍が楽しみな逸材だ。
公式戦直近4試合はG大阪が全勝している。今季1stステージも1-0の完封勝利。青黒としては、2ndステージ制覇の優勝のために絶対に落とせない。一方、同ステージ首位の浦和はここでライバルを蹴落とすことができれば一気に突き進むことができるはずだ。