独走が予想されるも、意外な失速
9月23日に行われたリーグアン第7節でPSGはトゥールーズに2-0で敗れ、第3節のモナコ戦に続いて早くも今季2敗目を喫した。
前任者のロラン・ブラン監督のもとで36試合連続無敗記録を打ち立てた彼らにとってこれは「異常事態」。国内メディアは大騒ぎしているが、実際のところ、PSGは危機的状態にあるのだろうか?
プレシーズンのテストマッチでは、レアルマドリーやインテルミラン、プレミア王者のレスターシティ等を相手に全戦全勝、シーズン開幕を告げるスーパーカップでもリヨンを4-1で下して、「また今季もPSGの独走か……」という空気が漂っていただけに、開幕後のこの失速は意外でもあった。
非難の矛先は、言わずもがな、新監督のウナイ・エメリに向けられているが、とりわけ「ちょっと騒ぎ過ぎでは?」というほど取り沙汰されているのが、今夏のメルカートで獲得したアテム・ベン・アルファの起用法についてだ。
エメリは彼にとっての公式戦初采配、スーパーカップの対リヨン戦で、サイドあるいは1.5列目を主戦場とするベン・アルファをセンターフォワードで起用した。コパ・アメリカに参戦して合流が遅れ、まだ調整が不十分だったウルグアイ人FWカバーニが欠場したためでもあるが、この試合ではゴールを決めたものの明らかに不慣れなポジションに戸惑うベン・アルファを、エメリは翌週の開幕戦、対バスティア戦でも同じポジションで使った。
しかしこの試合で活躍がないと次戦では先発から外し、第4節のサンテティエンヌ戦では右サイドで先発に戻すも68分にカバーニと交代させると、それ以来、チャンピオンズリーグのアーセナル戦も含めて一切使っていない。
一戦、一戦、ベン・アルファの名前がチームシートにない試合が続くと、メディアも騒ぎ出した。エメリはいったい、わざわざ獲得したこの新戦力をどうするつもりなのか?