ジョセ・モウリーニョ監督【写真:Getty Images】
かつて“スペシャル・ワン”と自称したジョゼ・モウリーニョ監督は、年月を経て“スペシャル”でなくなってしまったのかもしれない。10年ぶりに公式戦3連敗を喫し、改めて昨季以降の顕著な勝率低下が話題となっている。
シーズン途中でチェルシーを追われたモウリーニョ監督は、今季から特大の期待を背負ってマンチェスター・ユナイテッドの指揮官に就任した。しかし、18日のワトフォード戦に敗れて公式戦3連敗となり、リーグ戦では3勝2敗と波に乗り切れていない。
ポルトに始まりインテルやレアル・マドリーなどのビッグクラブを数々の栄光に導いてきたポルトガル人指導者の最近の記録を見てみると、意外な事実が判明した。選手や指導者のデータベースサイト『transfermarkt』によれば、昨季以降モウリーニョ監督が指揮した公式戦での勝率は5割を切っていたのだ。
昨季リーグ開幕戦前に行われたアーセナルとのコミュニティシールドを含めた33試合の戦績は、13勝15敗5分だった。これでは到底タイトル獲得に届くはずもない。いまのままではユナイテッドは来季もチャンピオンズリーグ出場権を逃しかねない状況にある。
公式戦3連敗はチェルシーを指揮していた2006年以来10年ぶりで、これまでは必要以上に負けを引きずらない冷酷なまでの強さが売りだったモウリーニョ監督。シーズンは開幕したばかりのためチームを立て直す時間はまだ残されている。このまま結果を残せなければ再び立場は危うくなるが、果たして自らが“スペシャル・ワン”たりえる理由を証明できるだろうか。
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