代表で不調の香川。しかし不動の存在で…
極めて明白なことであり、今に始まったことでもない。日本代表での香川真司は、何かがうまくいかない。
ボルシア・ドルトムントに所属する攻撃的MFは、先日のW杯予選でもサムライブルーの主役になることができなかった。プレーの核心から離れた部分を動き回り、積極的にトライするのではなく横パスやバックパスを選択してばかり。チャンスになりそうな場面が訪れると無理に飛びついてしまい、クラブでよく見せているように効果的に処理することはできなかった。
今回も低調なパフォーマンスを見せたことで、香川は再び批判の対象となっている。代表チームで活躍したことが全くなかったとは言わないまでも、安定した活躍を見せられない時期がこれほど長く続いているにも関わらず、なぜ彼が今でも不動の扱いを受けているのかと疑問を抱く者は多い。
その答えはヴァイッド・ハリルホジッチに聞いてみるしかないし、ここ2、3年いつも精彩を欠いてきた選手を外そうとしないことに疑問が持たれるのは当然だ。だが、決して香川の努力が足りていないと言えるわけではない。むしろ、彼は頑張りすぎているのではないだろうか。
所属クラブでは、香川はサッカー界屈指の才能を持った選手たちに囲まれている。試合を決める仕事の負担は分散されており、ドルトムントの攻撃陣の中で複数の駒の1つとして自由にプレーすることができる。
日本代表ではそんな贅沢は許されず、相手守備陣を打ち破る仕事の主役になるべきだという期待に苦しめられているのは明らかだ。その相手守備陣の側も彼を封じ込めることに集中し、多くのエネルギーと人数を割いている。
サッカーの国際舞台において、これは世界共通のテーマだ。代表チームでのプレーになると責任の重さに苦しむスター選手の例は枚挙にいとまがない。たとえば、ウェイン・ルーニーを見てみるといい。