本田、右アウトサイドで今季初出場
ミランvsウディネーゼ戦、後半31分。ベンチからスタッフが出て、後半の頭からアップを命じられていた本田圭佑を呼んだ。支度を済ませた彼は、ベンチ前のテクニカルエリアでヴィンチェンツォ・モンテッラ監督から指示を受けた。
指示をしながら指揮官が指差す先は右サイド。本田はこれまでスソとポジションを争っていたが、この試合でもスソは一番調子の良かった選手で、引っ込めるということは考えにくい。どうするのかと思って見ていたら、本田と交代でホセ・ソサが下がり、中盤右インサイドのアンドレア・ポーリは左に回されて、スソはカルロス・バッカに近いポジションを取る。そして本田は右のアウトサイド。しかも動きは、明らかに縦の上下動を意識させられていた。
途中でミランはジャンルカ・ラパドゥーラを投入し、システムを4-3-3から4-4-2へ変更。すると本田は、完全に右のサイドハーフになっていた。気がつけば、シニシャ・ミハイロビッチ指揮下の昨シーズンと同じだ。
スピードに欠けると見られ、ウイングやアウトサイドには向かないと散々言われた。しかしミランの2年半で、比較的良い活躍ができたのもアウトサイドとしてだ。こういう選手としてミランで定着してしまっている本田は、結局今シーズン初めての試合でも同じ使われ方をすることになった。
スソやジャコモ・ボナベントゥーラなどと比べると、敏捷性には欠けるイメージがある。その様子を見つづけてきたサン・シーロのファンは、本田がカウンターでボールを持つと「早く攻め上がれ」と言わんばかりに声援のトーンを変える。36分、パブロ・アルメーロを1対1で抜き損なった際には、スタンドからため息が漏れた。