カペッロに率いられたバランスのいいチーム
ポルトガルと同居した欧州予選を首位で突破したロシアに関しては、やや過小評価されている向きもある。主力は全員ロシアリーグに所属するなど、一般のファンから見れば地味な印象はぬぐえないかもしれない。
しかし、イタリア人の名将カペッロが率いるチームは攻守のバランスが取れ、どの国にとっても侮れないチームだ。数年来エースとしてチームを引っ張ってきたアルシャビンが指揮官の構想から外れた他は、期待外れに終わった2年前のEURO2012からそれほど顔ぶれは変わっていない。システムも同じ[4-3-3]だが、組織のディテールにこだわるカペッロ監督が守備のベースとカウンターの質をアップさせた。
守備時は両ウィングが素早く下がり、[4-5-1]を形成する。ただし、単に縦を切るのではなく、ゾーンの中に誘い込んで一気に詰め寄るプレッシングは驚異的なボール奪取力を誇る。そこから中盤のデニソフ、シロコフを起点に繰り出すサイドアタックは単独の突破に頼らないため、守る側は非常に的を絞りにくい。
クラブレベルで数々の栄冠を勝ち取ってきたイタリア人指揮官は、個の主張が強いイングランド代表ではチーム作りに苦しんだが、ロシア代表ではかなりハイレベルに仕上げた感がある。本大会で66年大会以来となるベスト4に躍進を果たすには、フィニッシュの質をさらに高めること。そのためにベンチを含めたさらなる戦力の発掘と強化が求められる。
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