またも不発の香川。状況はUAE戦から改善も輝けず
初戦のUAE戦(埼玉)の黒星で2018年ロシアワールドカップへの道がいきなり険しくなった日本代表。6日の最終予選第2戦・タイ戦(バンコク)にも敗れるようなことがあれば、6大会連続本大会行きが絶望的になるだけでなく、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の進退問題が一気にヒートアップするのは間違いなかった。
そんな中、日本は岡崎慎司(レスター)、清武弘嗣(セビージャ)、大島僚太(川崎F)に代わり、浅野拓磨(シュツットガルト)、原口元気(ヘルタ)、山口蛍(C大阪)の3人がスタメン出場。
指揮官の采配がズバリ的中し、原口が先制弾を決め、浅野も値千金の追加点をゲット。山口もデュエルで相手を圧倒して無失点勝利に貢献するなど、先発した選手がそれぞれ持ち味を発揮して、何とか2-0で最終予選初勝利をモノにすることができた。
ハリルホジッチ監督から抜擢された面々が前向きな印象を残す傍らで、本田圭佑(ミラン)、香川真司(ドルトムント)はタイ戦で結果を残せず、岡崎は出番なしと代表攻撃陣3枚看板は不発に終わった。
岡崎は公式戦では昨年11月のシンガポール戦以来の出番なし。代表通算ゴール数も「49」のまま足踏みしている。本田はUAE戦から連続で先発したが、浅野が左サイドからグラウンダーのボールを入れた前半24分の決定機にまさかの空振り。ワールドカップ予選連続ゴール記録も「7」で止まり、「負けてたら僕のせいになっていた」と苦笑するしかなかった。
彼ら2人以上にほろ苦いパフォーマンスに終始したのが香川だ。UAE戦では本田、清武の両サイドが中へ中へと動きすぎて中央で渋滞が起こり、香川が自由にプレーできるスペースが皆無に等しかった。
そのせいでボールタッチ数が極端に少なくなり、シュートもわずか2本にとどまった。こうした反省を踏まえ、この日は本田と原口が幅をしっかりと使って両サイドバックと連携しながら攻撃する意識を徹底。浅野も裏へ飛び出す意欲を前面に押し出したことから、香川を取り巻く状況は劇的に改善したはずだった。
「ホントに今日は前半からサイドをうまく使って、元気がうまく切り込んでドリブルからチャンスを作ったし、圭佑君もクロスに対して強さがあった。そういうところでうまく起点を作っていた」と香川本人も周囲の変化を認めている。