柏木陽介【写真:Getty Images】
日本代表は5日、タイ・バンコク市内で6日のタイ代表戦に向けた前日練習を行った。
柏木陽介は左股関節の違和感のためUAE戦でメンバー外となっていた。しかし、この日の練習後に取材に応じたレフティーは「体調はいい。足はもう、完璧にいい」と万全の状態にあることを強調した。
ホーム初戦は「みんな中、中だったり、攻撃は短いパスや強弱がなかった。幅は全然使えていなかったのかなと」と指摘。前線には本田圭佑、香川真司など実力と経験を兼ね備えた選手たちがおり、そうした攻撃が必ずしも的外れだったわけではない。柏木もそのことはわかっており「みんなが悪いプレーをしたというわけではなく、より効果的なプレーはできていなかった気がする」と述べた。
コンディションも良くなっているということで、タイ戦の出場が期待される。今回の対戦相手については「この気温でこのピッチ。相手にとって有利な状況だと思う。サウジアラビア戦を見たが、タイはすごくいいサッカーをしていた。ホームなので前から来ると思う。難しい試合になる」と警戒する。相手も細かくパス繋ぎながら攻撃を仕掛けてくると思われる。柏木が注意点を語る。
「全体的に前がかりに食いつかないことが大事。チャレンジ&カバーという、日本が徹底して今までやってきたことができれば、そんなにやられることはないかなと。相手の左サイドが攻撃の特徴だと思うので、パスの出所にプレッシャーに行けるか、入ってからしっかり潰し切れるか。その2点が大事になる」
相手の起点を潰すことができれば、日本のチャンスにもなる。
「相手の左サイドから崩されたとしても中がしっかり守れていれば、大丈夫だと思う。逆にサイドで奪えれば、その裏はすごくチャンスになるので、そういうところを突いていければよりチャンスは増えるかなと」
さらに、自分たちが主導権を握った時のビジョンについては「ボールを動かしながら相手を走らせること。裏を狙っていくから足下も空いてくる、サイドを使うから中も空いてくる、中を使うからサイドが空いてくる。本当に単純な攻撃でもいいと思うが、それができればより相手のバランスは崩れてくると思う。そういうところがうまくできれば」と語る。
スタートからなのか、それとも途中出場かは本人もまだわからないという。それでも、どんな状況でも最善のプレーが出せるよう準備するつもりだ。
「スタメンじゃないとしても、拮抗した試合だったら自分みたいな選手が必要だと思う。そのためにしっかり試合を分析しながら、自分が出たらどういう風にやっていけばいいのかを見る。最初から出るなら自分らしく、日本にリズムをもたらすプレーをしたい」
初戦は単調な攻撃に終始したハリルジャパン。試合展開に応じて適切なプレーを出せる柏木の能力が、タイ戦で必要になってくるのではないだろうか。
(取材:植田路生【バンコク】)
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