パースで活躍。セレッソを飛び出した永井
オーストラリア・Aリーグ、小野伸二(ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ)の活躍で、その存在が日本でも少しずつ耳目を集めるようになってきた。ここでは、Aリーグで活躍するもう一人の日本人にスポットを当てたい。
永井龍――パース・グローリー(以下パース)で2季目のシーズンを戦う22歳。タレント溢れるセレッソ大阪でなかなかチャンスを掴めず、自ら海外に活路を求めて飛び出した永井は、1年目の昨季から日本仕込みのスピードとテクニックでチームの主力として、途中ケガもあったが、17試合2得点とまずまずの活躍を見せた。10月から始まった今季も、チームに欠かせないレギュラーとしてピッチ上で躍動する。
セレッソを飛び出した若きFWが新しいクラブで交わることになったのが、Aリーグ通算ゴール数でトップを走る現役ニュージーランド代表のエース・ストライカー、シェーン・スメルツ。
「むちゃくちゃ勉強になりますね。強いし、ここで決めるん、え、そのシュート決めちゃうんやみたいな、近くで見ていても『世界ってこういうレベル』なのかなと感じさせられるThe外国人って感じの規格外のFWですね」と、チームの絶対的エースについて語る永井は饒舌で、彼自身がスメルツから受けた影響の大きさが、ヒシヒシと伝わってくる。
さらに話は、今季、パースに加入した“大物”の話題に及んだ。元フランス代表でチェルシー、アーセナルといった英プレミア・リーグの名門クラブで長くプレーしてきたウィリアム・ギャラス、その人だ。
「あれだけ実績のある選手なので、人間的にもできているしチームに溶け込むのも早かった。あんな凄い選手がですよ、僕よりも若いような選手とも真剣にサッカーの話をするんですよ。
驚いたのは、練習の時にも毎日、一人だけ少し早く出てきて、黙々とアップしたり、ランニングしたりして、パースのようなチームに来ても一切手を抜かない」とギャラスを語るが、その口ぶりからは先のスメルツ、そしてギャラスと身近にプロ選手としての良いお手本がいる環境を心底恵まれたものと感じているのが伝わってくる。