ミランが獲得を狙う3選手。左からR・カイオ、ラノッキア、ムサッキオ【写真:Getty Images】
ミランの補強が一向に進まない。中国資本へのクラブ売却こそ決まったものの、今夏の移籍市場に投入できる資金はわずかで、ことごとく狙った獲物を逃している。
伊紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によれば、粘り強く交渉を続けてきたロドリゴ・カイオとマテオ・ムサッキオの2人も諦めなければならない可能性が高いという。ともにセンターバックを務める実力者で、今夏のトップターゲットでもあった。
ブラジル代表としてリオデジャネイロ五輪での金メダル獲得に貢献したR・カイオは、サンパウロが移籍金1000万ユーロ(約11億円)という値札をつけている。ミランにはこれだけの額を出す余裕もないようだ。
当然ビジャレアルが2500万ユーロ(約28億円)の移籍金を要求しているムサッキオの獲得も、今のミランにとっては困難なミッションになっている。選手本人はクラブにイタリア行きを直訴したとの報道もあるが、クラブ間交渉は暗礁に乗り上げている。
そこでミランは、宿敵インテルからのレンタルで問題を解決するかもしれない。ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督が昨季後半、サンプドリアで指導したアンドレア・ラノッキアが獲得候補に浮上した。
インテルで構想外状態にあるラノッキアは若い頃から有望株として注目されていたが、28歳になった今も殻を突き破りきれず伸び悩んでいる。パーソナリティ不足が指摘されていても、モンテッラ監督は現有戦力以上の実力を評価しているようだ。
移籍市場の残り時間はわずか。ミランの補強は進むのか。今季の結末は、資金不足の今いかに立ち回るかに懸かっている。
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