名古屋グランパスに復帰した田中マルクス闘莉王【写真:Getty Images】
J1の名古屋グランパスは28日、トヨタスポーツセンターで元日本代表DF田中マルクス闘莉王の加入後会見を行った。クラブのオフィシャルサイトが伝えている。
闘莉王は2010年に浦和レッズから名古屋に加入。2010年にはリーグ優勝にも貢献するなどクラブを大きく支えたが、今年1月に名古屋を退団し、以降はフリーとなっていた。
名古屋との契約を更新しなかったことについて、闘莉王は「(ブラジルに)帰国中にいろいろと考え、2016年の初めに名古屋グランパスとの契約を結びませんでした。自分自身の考えと、グランパスの変わろうという考えの間で、自分は力になれないとその時感じていました」と説明した。
今季の名古屋は大きく低迷し、クラブ史上初のJ2降格の危機に瀕しているが、「心配しながらも遠くから愛する名古屋グランパスを見守っていました。苦しんでいる仲間たちに何もできない自分に悲しさを感じていました」と、古巣のピンチに心配を寄せていたという。
名古屋は今月に小倉隆史GM兼監督の休養を発表し、コーチを務めていたボスコ・ジュロヴスキー氏が代行監督に就任している。「今回、久米一正社長やジュロヴスキー監督から来てくれるかとの電話を頂き、ブラジルでの家族の状況など大変な部分はありましたが、『自分にできることがあればすぐに行く』と伝え名古屋へ戻ってきました」と、ジュロヴスキー氏からの要請が8ヶ月ぶりの復帰の理由だと語っている。
27日に行われた2ndステージ第10節のFC東京戦に引き分けたことでクラブワーストとなる未勝利記録を18試合に伸ばしてしまった名古屋。残留に向けて厳しい状況が続くが、ピッチでチームメイトを鼓舞する闘将はJ1残留の可能性を諦めていない。
「誰もが、今のグランパスの苦しい状況を理解しているとは思いますが、苦しんでいる仲間を見ていられません。自分が何かをしたい、何かができるはずだという気持ちで今はいっぱいです」
「残留の可能性があるのなら、僕は一瞬も諦めません。名古屋グランパスを最後まで闘わせる、それが自分の役割です。全員で力を合わせ、そしてサポーターの皆さんにも全力で支えていただく。そのためのプレーをしたいと思います」
自動降格圏内の年間16位・名古屋は次節、残留争いのライバルとなる年間14位・アルビレックス新潟とアウェイで対戦する。
【了】