マルティン・ウーデゴー【写真:Getty Images】
弱冠15歳でノルウェー代表デビューを果たし、16歳でレアル・マドリーに加入するなど“神童”の呼び声高かったマルティン・ウーデゴーが、早くもキャリアの岐路に立たされている。
マドリーのジネディーヌ・ジダン監督はプレシーズンでのウーデゴーのプレーを見て、武者修行に出す決断を下したものの移籍先が決まっていない。興味を示していたフランス1部のレンヌも低すぎる年齢を理由に獲得を諦めてしまった。
元フランス代表で、現在は古巣レンヌのスポーツディレクターを務めるミカエル・シルベストル氏はフランスのラジオ局『RMC』に対し「年齢に懸念があり、今夏ウーデゴーはレンヌに来ない」とした上で、「マドリーがリスクを冒したがらなかった。彼らはいまだFIFAの制裁下にあり、上訴の結果を待っている。スペインの他のクラブへ行くだろう」と述べ、レンヌ側に非がないことを強調した。
国際サッカー連盟(FIFA)は原則として18歳未満の国際移籍を禁止しており、現在17歳のウーデゴーの移籍はその規定に違反する可能性があるようだ。
ノルウェーはEUにこそ加盟していないもののEEA(欧州経済領域)には参加している。そのため18歳未満の選手の移籍時には規定で認められた「16歳以上18歳未満でEU内、EEA内での移籍の場合」という例外が適用される。しかし、マドリーは同規定に違反して課された制裁に関する上訴中に波風を立てることを望んでいない。
この理由によりレンヌと同じくウーデゴーに関心を寄せていたウェストハムやハンブルガーSV、レバークーゼンへの移籍も見送られ、スペイン国内へのレンタル移籍が最も現実的な選択肢となった。
マドリーで満足に出番を得られない現状から、9月のロシアW杯予選に向けたノルウェー代表メンバーからも漏れてしまったウーデゴー。その豊かな才能に疑いはないが、ビッグクラブ移籍を選択したことによって成長する機会を失ってしまったのかもしれない。早々に武者修行先を決め、チャンスを掴まなければ数多いる有望株の中に“普通の選手”として埋もれてしまうだろう。
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