ミラン、開幕白星発進。本田は出番なし
結局、本田圭佑の先発起用はなかった。3トップの左にはエムバイエ・ニアンに、右にはスソ。いずれも、特にアメリカ遠征の間に評価を上げ、連携を高めた選手だ。ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は、この間にできあがったチームについて確かな手応えを感じていたようだった。
「非常に守備のタフなトリノが相手。したがって夏の間に培った連携を継続して、この試合にぶつけたかった」。モンテッラ監督は語った。
その結果が、3-2での開幕戦勝利だ。ロスタイムにはPKを与えて同点で終わりそうだったから、ミランは相変わらずと思われるかもしれない。しかしトリノは攻守ともに非常に良いサッカーを仕掛けており、「時間によってはうちが支配していた」という敵将のシニシャ・ミハイロビッチ監督の言葉も決して誇張ではなかった。それを押し切って3点を奪っているのだから、やはりこの日のミランは強かった。
実際に、プレシーズンで培った戦術から点を奪っていた。攻撃時にはニアンとスソが中へと絞り、時には中盤にも下がる形で前のスペースへ下がる。そこにサイドバックが上がると、すぐさまパスが入る。先制点のカルロス・バッカのヘディングシュートは、そうして生まれたものだ。
もちろん両ウイングはサイドバックと連携しつつ自分で仕掛けてもいい。そうしてDFを押し広げたところに、ジャコモ・ボナベントゥーラやユライ・クツカが飛びだしてチャンスを作る。味方の攻撃を誘発させるために、ボールを保持していない選手が連動してスペースを捻出する。そうした動きの質の高さを、モンテッラ監督は求めたのだろう。
そしてその実現を考えた際、自信を持って送り出せるメンバーがトリノ戦でのスタメンだったということになる。その意味で、本田が左膝裏を痛めて始動が遅れたことは、ポジション争いに手痛く響いてしまった格好だ。