おとぎ話のような優勝。抜群のチームワークで全員が汗かき役に
昨季のレスターは誰も予期していなかった奇跡を成し遂げた。それを物語るように、開幕前にブックメーカーが出した優勝オッズは5000倍。現代フットボールの世界ではありえないような、おとぎ話が起こったのである。
守備陣ではGKのカスパー・シュマイケルとセンターバックでキャプテンのウェス・モーガンを中心に、特に後半戦は堅守でチームが勝利を積み重ねるのに貢献した。ロベルト・フートは、空中戦で抜群の強さを見せて攻守に活躍。クリスティアン・フックスは、安定した守備もさることながら、左足から精度の高いボールを繰り出して好機を演出した。
中盤に目を移すと、エンゴロ・カンテがバック4の前でボールを奪い、組み立てにも貢献、さらにファイナルサードにも顔を出すなどピッチを掌握した。
チームの王様となったカンテに触発されたダニー・ドリンクウォーターもシーズンを追うごとに成長、イングランド代表にも招集される存在になった。左サイドのマーク・オルブライトンも、攻撃でのインパクトは少なかったが、豊富な運動量でチームに欠かせない存在だった。
攻撃陣では、プレミア1年目の岡崎慎司はゴール数こそ5点と少なかったが、献身的な守備と中盤と攻撃をつなげる潤滑油として優勝に貢献。そしてチームは2人の最優秀選手を生んだ。
17得点11アシストのリヤド・マハレズは記者が選ぶ最優秀選手に輝けば、今やイングランド代表のレギュラーとなったジェイミー・ヴァーディーは24得点を挙げ、惜しくも得点王を逃したものの、選手が選ぶ最優秀選手賞を受賞している。
なによりチームを支えたのは抜群のチームワークだった。全員が汗かき役をこなして、全員が攻撃参加の意識を持っていた。それでも、ミラクルレスターの主力の中には特に群を抜く活躍を見せた選手たちがいた。