「火力爆発」、韓国の大勝は喜々として伝えられる
フィジー戦で2得点を挙げたクォンチャンフン【写真:Getty Images】
リオ五輪の正式開幕が1日前に迫った5日(日本時間)、サッカーのグループステージが本大会に先駆けてスタートを切った。開幕戦からネイマール擁するホームのブラジルが南アフリカと引き分けるなど衝撃のスタートだった一方、ロンドン五輪3・4位に並んだ日韓の両国は正反対の結果を迎えた。
まず韓国は大会最弱チームとされるフィジーと対戦。プロ選手が1人しかいない相手に韓国メディアはもちろん多くのサッカー関係者から「勝つのは当然、どれだけゴールを奪うか」が最低ノルマとなっていた。
もちろん相手の実力はさておき、メダル獲得で兵役免除となる特殊な状況もこのノルマ設定の底にある。まだ兵役の問題が残っているトッテナムのソン・フンミン、FCポルトのソク・チョンジュンなどレギュラーの韓国代表2人がオーバーエージ(OA)枠に加わっており、選手選考段階からメダル獲得への意地を見せた。韓国が五輪へかける思いはそれこそ切実だ。
そして今日サルバドールで行われた初戦ではその「切実さ」が遺憾なく発揮された。レバークーゼンのユ・スンウが3ゴール2アシストと大爆発、22歳の若さで韓国代表MF陣に名を連ねるクォン・チャンフンとソク・ヒョンジュンが2ゴール、ソン・フンミンがPKで1点を追加し、韓国五輪サッカー史上最多である8得点を記録した。
不安定さを指摘されていた守備も相手の攻撃力が脅威にはならなかったためか、この日は大きな問題がない様子。大量得点を期待していた韓国メディアも「火力爆発」(マイデイリー)、「ワンダフル」(OSEN)などの見出しで大勝を楽しんだ。
一方の日本はまさかの守備崩壊が思わぬ結果を招く形となってしまった。韓国の試合が終わった直後、マナウスのアマゾニアアレナで開催されたナイジェリアとの試合で5-4の敗北を喫したのだ。