フットボールチャンネル

ジュニサカ 8年前

南野拓実と室屋成――。「負けん気」で成長してきた“幼馴染”ふたりがオリンピックの舞台で輝く

来週開幕するリオデジャネイロ五輪日本代表メンバーである南野拓実と室屋成。ふたりが同郷の幼馴染であることはあまりに有名だ。良きライバルであり良い友人でもあったというふたりは、お互いのことをどう感じているのだろうか。(文:元川悦子 『僕らがサッカーボーイズだった頃3』より一部抜粋)

text by 元川悦子 photo by Getty Images

南野と室屋、出会いは偶然

南野拓実と室屋成
室屋成(左)と南野拓実(右)【写真:Getty Images】

 関西国際空港に程近い大阪府泉南郡熊取町。大阪市内のベッドタウンとして名を馳せるこの町で南野拓実は生を受けた。その日は奇しくも阪神大震災の起きる前日の1995年1月16日。両親も慌ただしい状況下での子育てとなったに違いない。

「僕の名前は『自分で開拓して実るって意味だ』と小さい頃、親に聞かされました。名前負けせえへんようにしないといかんと思いましたね」と南野は命名の由来を打ち明けるとともに、生きる決意を新たにしたという。

 南野家には三つ上の兄がいて、幼少期の拓実少年は兄の後をついて回る、活発な子どもだった。

「兄貴とはよくケンカしていました。兄貴と友達が遊んでいるところに僕がついて行こうとすると、『来るなよ』と言われて、それに反発する感じですね。でも結局はついていくことになっていました(笑)。サッカーもそんな流れで始めたのかな。兄貴たちと一緒に、物心つく前からボールを蹴っていました」

 通っていた熊取町のフレンド幼稚園で本格的にサッカーを始め、同幼稚園を母体としたゼッセル熊取に入るのは、ごく自然の成り行きだった。

(中略)

 ゼッセルのチームゼッセルのチームメイトには、のちに2011年U-17ワールドカップ(メキシコ)、そして2016年1月のリオデジャネイロ五輪アジア最終予選(AFC U-23選手権=カタール)でともに戦うことになる室屋成(現FC東京)がいた。2人の出会いはまさに偶然以外の何物でもなかった。

「拓実と初めて会ったのは幼稚園の頃。兄貴同士が同い年で、ゼッセルで一緒に練習している傍らで、親に連れていかれた僕ら2人もよくボールを蹴ったり、鬼ごっこしたりしていました。

 拓実の家で遊ぶこともあったんですが、二言目にはあいつが『サッカーしよう』と言い出して、家の裏にあった中学校グランドへ出かけることになり、よく練習させられましたね。ホントにとことんサッカーが好きな子やったと思います(笑)」


続きは『ジュニアサッカーを応援しよう!』にてお楽しみください。

僕らがサッカーボーイズだった頃

僕らがサッカーボーイズだった頃3 日本代表への道
定価1728円

本人とその家族・指導者・友人の証言から描くサッカー人生の“原点”とは

CASE1 宇佐美貴史(ガンバ大阪)
CASE2 原口元気(ヘルタ・ベルリン)
CASE3 大久保嘉人(川崎フロンターレ)
CASE4 川島永嗣(ダンディー・ユナイテッド)
CASE5 遠藤航(浦和レッズ) など

詳細はこちらから

KANZENからのお知らせ

scroll top
error: Content is protected !!