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FC東京、ユース選手権で神戸とスコアレスも決勝T進出。久保建英は途中出場も無得点

text by 熱中!高校サッカー編集部 photo by Shiho Hoshino

久保
FC東京の久保建英【写真:星野志保】

【FC東京U-18 0-0 ヴィッセル神戸U-18】

 第40回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会のグループステージの3日目が28日に行われた。

 梅雨明けが発表されたばかりの前橋のジリジリと肌を突き刺すような日差しの中で行われた予選トーナメント最終戦。Dグループ1位のFC東京は、勝ち点差わずか1で2位につけるヴィッセル神戸と戦った。

 FC東京の佐藤一樹監督が「両チームとも決勝トーナメント進出が決まっている中で難しい試合になった」と振り返ったように、前半はFC東京の選手たちの動きが重く、神戸がボールを保持する時間が長くなった。

「相手のラインが高かったのでスペースが作れなくてロングボールが多くなりました。セカンドボールも意識したのですが、うまくチャンスを作れなかった」とMF生地慶充が言うように、前半は神戸に押される展開になった。

 停滞した状況を打開しようとFC東京は、第2節の大分戦で2ゴールを決めたチームの得点源・久保建英と、ゲームメーカーの平川怜を投入。

「前半は堅い試合になっていたので、自分が入ったら攻撃で質を出せればいい」とピッチに入った平川だったが、DFの裏に長いボールを蹴り込む展開に、ボールに触る回数が少なく、難しい状況だった。

 しかしその中でも、DFの裏へ通すパスでチャンスを作るなど平川の良さも光った。個人で状況を打開できる久保もまた、3人の神戸DFに囲まれるなど厳しいプレッシャーを受けたが、DFを引きつけて味方を生かすプレーでチャンスを演出するなど存在感を示した。

 後半は、「ラインの高い神戸に対し、DFの裏に長いボールを入れ続けたことで、相手に疲れが見え始めた」(生地)と、DFの裏を取る回数が増え、FC東京に決定的なチャンスも生まれた。

 84分、「(エリア内に味方の)枚数がいて、相手がボールウォッチャーになっていて裏のスペースが空いていたので、ここに(自分が)出たら岡庭君から良いボールが来る」(生地)と、左サイドで岡庭愁人から絶好のパスを受けた生地が、相手のプレッシャーを押しのけてシュートを放ったが、惜しくもポストに当たりゴールを割れなかった。

 だがチャンスはそこで終わらなかった。その弾かれたボールをゴール前で拾った平川が再び神戸ゴールを襲い見せ場を作った。しかし、「難しいバウンドで思い切りシュートを打てなかった」と平川が悔やんだように、結局、神戸の堅いDFを最後までこじ開けることができず。試合はスコアレスドローで終わったが、FC東京はグループステージ首位通過が決まった。

 明日からはいよいよ決勝トーナメントが始まる。FC東京は29日の9時から前橋で、浦和レッズユースと戦う。明日に向け、「しっかり100%でやって、自分も存在感を出せればいいと思っていますし、チームが優勝することが一番なので、それに向けてしっかり準備していきたいです」と抱負を語った平川。

 生地も「今日も厳しい戦いでしたが、もっと厳しい戦いになると思うので、1戦1戦しっかりと戦って少しでも上に行けるように頑張りたい。そして自分がゴールを決めてチームを勝利に導きたいと思っているので、シュートをもっと意識してチームの勝利に貢献したいと思います」と、2008年以来の優勝を目指して意気込んだ。

(取材・文:熱中!高校サッカー)

熱中

【了】

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