「水曜日は、前半戦で一番大事」
空気は次第に醸成されていく。12月7日、対ボルシアMG戦後、ミックスゾーン――。
内田篤人はこう述べた。
「水曜日は、前半戦で一番大事」
決戦は水曜日だった。ミッドウィークの12月11日、FCシャルケ04はホームにFCバーゼル1893を迎え撃った。勝つ。ただそれだけの結果が必要だった。生き残るために。
欧州チャンピオンズリーグ13-14シーズン、グループE最終節前、シャルケは勝ち点7で3位につけていた。勝ち点8の2位に位置するスイス王者を下すことでしか、上位2チームに入り、決勝トーナメントに進む方法はない。
12月8日、ゲルゼンキルヒェン、シャルケ練習場。
練習で使用されるボールはCL公式球に変更されていた。トレーニングに参加したのは、ソロイやフクスといったボルシアMG戦で途中出場した選手たちと、遠征に帯同しなかった選手たちだった。空気は最終戦に向けて既に切り替わっている。
灰色の空の下、指揮官ケラーは慎重に戦力を見極めようとしていた。カップ戦を含めチームは2連敗を喫していたが、次の戦いは目前に迫っている。ミニゲームでパパドプロスは顔を赤らめ気を吐いた。オレたちはまだ終わっていない。みなぎる闘志はそう言っているかのようだった。
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