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3-6-1の新機軸とは? ポゼッションサッカーの戦術最先端

7月6日発売した『フットボール批評issue12』では、最先端のポゼッションにおけるメカニズムを西部謙司氏がEUROとコパアメリカの試合から明らかにした。その一部を抜粋して掲載する。(文:西部謙司 『フットボール批評issue12』一部抜粋)

text by 西部謙司 photo by Getty Images

ポゼッションvsカウンターの構図

スペイン イメージ写真
中盤の選手の役割がポゼッションの肝になる【写真:Getty Images】

 ユーロとコパアメリカの同時期開催は、世界のフットボールを知る絶好の機会だった。

 ボールを保持して攻め込む側、ブロックを組んで守る側、この両者の対峙がゲームの基調になっている。CLはすでにそうなっていたし、格差のはっきりしている国内リーグはもともとそうなのだが、代表チーム同士でもその傾向はますますはっきりしてきた。

 メンバー構成をみるとさほど守備的になっていないチームでも、「この相手にはボールを持てない」と観念したら無駄な抵抗はやめてまずは守備に徹している。

 ただ、守勢だからといって不利というわけでもない。年間リーグとは違う短期決戦、ましてノックアウトステージでは何が起きても不思議ではないぐらいの僅差勝負だ。力の差はある。あるけれども、それが結果に直結しない。弱者側の戦い方が手慣れてきた一方、強者側が頭打ちだからだ。ただ、ユーロに比べるとコパアメリカのほうに若干力量差がみられ、実際にアルゼンチンとチリが順当に勝ち上がっている。

 ちなみに、この原稿はコパアメリカ決勝の前、ユーロのグループリーグ終了のタイミングで書いているのだが、戦術的な観点での最強国はチリだと思っている。

 準々決勝でメキシコを7-0で破ったときのチリに勝てるチームはないだろう。強烈なインテンシティ、走力、ハイテンポの中で発揮される技術は圧巻で、仮に20分ハーフの試合形式でワールドカップが開催されたらとしたら優勝候補筆頭である。あのテンポで試合ができるチームは他にない。あのペースで7試合を戦えるか、1試合でも早い時間に得点できなかったらどうか、そうした疑問点はあるけれども、瞬間最大風速としての強さでチリに匹敵するチームはない。

 ポゼッション側とカウンター側、両者の対峙が試合の基調になっている。

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