ミラン、中国資本家への売却は順調?
「将来のこと? 今のところは現状に満足しているし、何より今はコパ・アメリカで少しでも良い成績を挙げることだけを考えている。それからだよ。代理人やミランの幹部とも近いうちに話す。監督が誰になるかって? それは知らない」
コロンビア代表としてコパ・アメリカに参戦中のカルロス・バッカが、上記のようなコメントを残したことがイタリアメディアの間で話題となっている。単に今は代表の試合に集中しているから去就については話せない、という意味合いだと思われるのだが、「方針が決められないミランについてしびれを切らしているのでは」と解釈された。昨シーズンに18ゴールを記録したストライカーのもとには、プレミアリーグの数クラブからオファーが来ているとの噂も立てられている。
もっとも、ミラン自体は体制についての話を進められる状態ではない。クラブの売却に臨んでいるからだ。中国人の資本家連合からの依頼を受け、アメリカのスポーツ経営コンサルタントが買収交渉に乗り出しているのは周知の通り。シルビオ・ベルルスコーニ名誉会長が心臓の手術を受けていた先週も、ミランの親企業グループである投機会社のフィニンベスト社の幹部と交渉に当たっていた。
現地の情報によれば交渉は順調に進められ、中国人資本家連合がさしあたって株式70%を取得する方向で詳細も詰められたという。「あとはベルルスコーニがOKさえすれば、新監督選定から補強に至るまで全ては動く」と、現地メディアは楽観視をしている。
中国人側の交渉役として当たっているイタリア系アメリカ人のサルバトーレ・ガラティオート氏のスポーツ投資コンサルティンググループの中には、スタジアムの建設やスポーツ上の経営に明るい人物もおり、アドリアーノ・ガッリアーニ副会長は水面下で次期監督の人選について伺いを立てているという話もある。15/16シーズンに4-3-1-2のシステムを用いてエンポリで好成績を挙げたマルコ・ジャンパオロ監督の招聘が有力視されている。