精神的に鍛えられるポジションがFW
2016明治安田生命J1リーグ・1stステージ第16節の浦和レッズ戦で、約3ヶ月半ぶりのゴールをあげて、チームの勝利(4-2)に貢献した佐藤寿人。
83分に、相手陣内でのパスを素早い反応でカットした佐藤は、そのまま落ちついてゴール右隅にシュートを突き刺した。
今シーズンは出場機会が減る中、苦しい状況が続いていたが、ひとたび試合に出れば、FWとして、ストライカーとして一番の仕事である“ゴール”という結果を残した。
点取り屋として、常にゴールにこだわり続ける佐藤。自著『ゴールハンターバイブル 得点を奪うための最強理論と38のメソッド』でも、その“ゴール”に対するメンタリティの原点が垣間見える。
「ストライカーはゴールをとるためにプレーしているので、仕事としてそのウェイトがほぼほぼ占めると考えています。6歳からサッカーを始めてから変わらないことに、もちろん、勝利もありますが、ゴールの喜びが一番大きなものとしてあります。
ずっとFWとして得点をとっている選手と、他のポジションでたまに得点をとる選手とでは喜びの感じ方も違います。だから、生粋のFWは常にゴールに貪欲です。
プロ・アマを問わず、FWは子供の頃から勝ち負け以上に、ゴールを決められたかどうかと向き合っています。だから、試合の勝負プラスαとして得点をとることについて葛藤し続けています。
精神的に強くならなければいけないし、たくましなっていくポジションです。プロになってから強く思うことは結局、ストライカーの評価はゴールという数字です。
結果を出せないと、他の選手に取って代わられてしまうポジションなのです。FWが最初の方に補強リストに挙げられることも、リストラの対象になることもそれを示しています。助っ人として外国籍の選手の割合が多いことが証明していますよね。
だから、たとえ何度ミスをしても、どんな位置からでも、どんな体勢からでも、ゴールを一番に考え、狙い続ける貪欲さが必要なのです」
試合終了後に佐藤は、「いつもベンチに控えている選手も含めて全員で準備をしていたので、(ゴールを決めた直後に)ベンチにいるみんなの元へ行きたかったです」と振り返った。
チームのために、そしてストライカーとしての宿命のために、佐藤は今後もゴールを貪欲に狙っていく。
【了】