まず大事なのは“ボールに行くこと”
伝統の堅守で世界を制してきたサッカーの国イタリア。この国の子どもたちは幼少期にどんな守備の指導を受けているのだろうか。話を聞かせてもらったのは、イタリアのヴェローナやACミランなどのアカデミー部門で子どもたちを指導したキャリアを持つ、ルカ・モネーゼさんだ。
ルカさんは現在、千葉県佐倉にあるACミランサッカースクール千葉佐倉校のテクニカルディレクターを務めている。来日して4年目を迎えるそうだ。ルカさんに企画の趣旨を伝え、今回はイタリアの子どもたちも幼少期に学ぶ基礎中の基礎である1対1や2対2について考え方を教えてもらうことになったのだが、ルカさんは開口一番、こんな話から始めた。
「イタリアと日本の子どもを指導して感じることがあります。イタリアの子どもはボールを欲する気持ちが強いんです。何も言わずともボールに行きます。でも日本の子どもはボールを待ってしまう。受け身の姿勢が強いんです。12歳以降にディフェンスのテクニックを覚える段階になったときに大前提となるのはボールを奪い取ろうとする気持ちの部分。まずこの力を養うためにも8歳~10歳の頃の指導としては、まずボールにいくこと、ボールを奪おうとすること、ボールへの執着心を持つように指導しています」
ボールへの気持ちを引き出すためにも1対1をするときに30秒など時間制限を設ける。すると子どもたちはボールを奪おうとする気持ちがだんだんと芽生えてくるという。
これらを踏まえた上で、1対1や2対2の守備の考え方やトレーニング方法を紹介してもらった。まずは1対1から。
「1対1はとにかく相手のボールを奪うことに尽きます。ただし、U-12世代はもう少しで(中学生年代から)11人制度サッカーへ移行していく時期なので、たとえ1対1でも、自分がボールを奪いにいくという行為がチームにどう影響を与えるかを考えながらプレーしないといけません。勢いだけで奪いにいって交わされてしまうと、しわ寄せがすべて他のチームメイトにかかることになります。それらを踏まえた上で大事になるのが、どう身体を使って、どこにポジショニングをして、どういう身体の向きでディフェンスをするかです」
続きは『ジュニアサッカーを応援しよう!VOL.41』にてお楽しみください。