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イタリア代表、前評判の悪さに潜む吉兆。指揮官も認める“武器不足”とユーベから移植したカテナッチョ

イタリア代表は現地時間13日、EURO2016のグループリーグ初戦でベルギー代表と対戦する。前回大会では準優勝だったイタリア代表だが、期待感は薄い。セリエA王者ユベントスから移植した守備戦術はカテナッチョの伝統を受け継いでいるが、攻撃陣はタレント不足が否めない。しかし、前評判は悪さにはイタリア代表ならではの“吉兆”が潜んでいた。
(文:神尾光臣【ミラノ】)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

前評判の悪いイタリア代表。GLは苦戦必至か

アントニオ・コンテ
イタリア代表のアントニオ・コンテ監督【写真:Getty Images】

 「国歌『マメーリの賛歌』が歌われるのはイタリア代表の試合の時だけ」

 イタリアではそのように言われることがある。都市毎の独立心が強いこの国では、国が一体感を見せるのはサッカーの国際大会の時ぐらいだというのだ。実際ワールドカップや欧州選手権での時では多くの街でパブリックビューイングが実施され、近所のバールでもテレビを表に出して観戦する。もちろん優勝すれば、国中が夜を徹しての大騒ぎとなる。

 今回のEURO2016でも、始まってしまえばそう雰囲気になるだろう。ただ戦前の期待感は、正直言って低い。各ブックメーカーにおける優勝オッズは軒並み10倍を超え、ドイツやフランスにスペイン、イングランドやベルギーなどに水をあけられている。

 予選はグループHを1位で通過。ただその間も、アントニオ・コンテ監督自ら「(2位通過した)クロアチアの方が戦力は上」と公言するほどにタレントは不足している。そしてその後の親善試合では、スペインとは引き分けたもののベルギーとドイツには大敗を喫した。

 本大会のグループリーグでの組み合わせも悪い。グループEには他でもないベルギーが入り、あのズラタン・イブラヒモビッチを擁するスウェーデン、さらに伝統的に苦手としているアイルランドとの対戦が決まった。

 前回大会では準優勝のイタリアだったが、下手を打てばグループリーグで敗退する可能性も決して低くはない。果たして彼らは、前評判の悪さを吹き飛ばして躍進することができるのだろうか?

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