ブラジルの気候を気にした遠藤保仁
優勝経験を持つ欧州の強豪が第4ポットに振り分けられたことでかつてない「死の組」が生まれるかもしれないブラジル大会の組み合わせ抽選会。
ピッチ上で対峙することになる列強の顔ぶれは、もちろん各国の命運に直結する重要な要素だが、南米最大の大国で64年ぶりに行われるサッカーの祭典にはもう一つの見えない敵が待ち構えている。それは、実に日本の23倍に相当する広大な国土を持つブラジルならではの気候条件だ。
6月12日から7月13日にかけて行われるブラジル大会は暦の上では晩秋から初冬にあたるが、やっかいなのは南北で4320キロメートルに及ぶ国土ならではの気候の多様性。単純に「冬の季節」と割り切れないほど、全国各地に点在する開催都市は様々な顔を見せる。
今年開催されたコンフェデレーションズカップへの出場権を得た2011年のアジアカップの優勝直後、日本代表の大黒柱、遠藤保仁はコンフェデレーションズカップ出場の意義をこう看破していた。
「いち早く、ブラジルの気候を知る事が出来るのが大きい」。なるほど、さすがに鹿児島実業高校時代、2度のブラジル短期留学を経験している日本の司令塔だけに、ブラジルの多様な気候については当時から意識の片隅にあったわけだが、コンフェデレーションズカップではブラジルが持つ一面を体感したに過ぎないのだ。
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