大会直前にメンバー変更が相次いだ守備陣
今回のEUROに挑むフランス代表については、清々しいほどに突き抜けて頂上まで到達するか、信じられないほど崩れて底辺に沈むか、両極端になるような気がしている。
その理由は、大会直前のチーム変更だ。
5月12日に予備要員も含む仮メンバーを発表してから、まず、ディフェンスの要であるラファエル・ヴァランが肉離れで離脱。ヴァランは5月22日から23日にかけて、マドリードからクレールフォンテーヌまで赴いて代表担当のメディカルスタッフの診断を受けたのだが、プレーできる状況に回復するまで最低4週間かかるという診断を受けた。
この時点から4週間となると、グループリーグの3試合は絶望的。ということで、デシャン監督は、彼をメンバーから外す苦渋の決断を下した。
その後間もなく、同じセンターバックのジェレミー・マテューもスペイン国王杯の決勝戦でふくらはぎを痛めて欠場が決定。
そんな、ただでさえ人材難の守備陣の相次ぐ怪我に、さらなる追い打ちをかけたのが、アンカーとして期待されていたラサナ・ディアラの離脱だ。5月30日のテストマッチ、対カメルーン戦に先発出場したディアラは、ハーフタイムに退きエンゴロ・カンテと交代した。
ディアラは以前から左膝負傷を患っていたのだが、限界に来ていたのか、この試合のあと自らデシャン監督に本大会への出場は無理だと進言したのだった。
ヴァランの代わりに招集されたのは、アディル・ラミ。今季はセビージャで主力としてプレーし、見事優勝したヨーロッパリーグでも先発出場した。
マテューの代役にはリヨンのサミュエル・ウンティティ。まだ22歳と若いが、リヨンではすでに数シーズン、レギュラーとしてプレーしたキャリアがある。そしてラサナ・ディアラの穴を埋めることになったのが、モルガン・シュナイデルランだ。