長友が発見したスピードのなかにあるブルガリアの強さ
キリンカップ初戦の相手はブルガリア。3年前に同じくホームで0-2と敗れた相手は、EURO予選を戦ったほぼフルメンバーが来日していることもあり、難しい試合になることが予想される。
確かに誰でも分かるビッグネームは皆無。セリエAのパレルモで主力を担うMFのイバイロ・チョチェフについても、第28節に対戦していたはずの長友佑都ですら「どこのポジションですか? ボランチ? 覚えてないです、すいません」と苦笑するぐらいだ。
しかし、ビッグネームがいなくても組織的なディフェンスは欧州でも目を見張る堅固さを誇り、カウンターにも鋭さと正確性がある。長友は「しっかりと守ってカウンターが速いチームだなという印象。クロアチアとの試合を観て、かなり相手がポゼッションをする中で、引いて守る形がすごく長くて」と語り、攻守の両方に警戒を強めた。
ブルガリアは3月の親善試合で、ポルトガルにアウェイで0-1と勝利している。カウンターはアジア2次予選で何度も受けながら、日本は8試合を無失点で終えたわけだが、長友は「スピード感、力強さが全く違う。スピードだけじゃなくてフィジカルがそこに備わっているから。一人ひとりのレベルがね」と違いを力説する。
「だからスピードだけで対応しようとしても、厳しい。そこには1対1の駆け引きだったり。フィジカルの強さも必要だし、ヨーロッパならではでもフィジカルを兼ね備えたスピードは感じますね」
だからこそ、そうした攻撃を個人としてもチームとしても、しっかり止めることができれば長友が「自分たちの自信にして、また自信になると体も動く。メンタル面がフィジカル面にも影響してくると思います」と語るように、プラスに向いていくはずだ。
もちろんやられたショックから学ぶものもあるが、まずは厳しい攻撃をしのいで得る経験を求めるべきだろう。