フランス代表から外れたFWカリム・ベンゼマ【写真:Getty Images】
フランス代表を外されたFWカリム・ベンゼマの人種問題発言は、再びフランス政府をも巻き込む事態となった。2日、スペイン紙『アス』が報じている。
北アフリカにルーツを持つベンゼマは、先日スペイン紙のインタビューの中で「フランス代表のディディエ・デシャン監督は、人種差別主義者たちの圧力に負け俺を代表から外した」と発言したが、その反響は瞬く間に国境を越えた。
フランス首相のマニュエル・ヴァルス氏は、「それはフランスに対する正しい物の見方ではない。代表チームは肌の色やその出自によって選出されることはない」と反論した。そして「皆それぞれが自分のルーツに誇りを持つべきだ。人種に基づいた選出はされていないし、デシャン監督がそれをやったという疑いはない」と差別問題がないことを強調した。
首相は、フランスで人種の多様性を表現する3つのB「black-blanc-beur(黒人-白人-アラブ人)」はサッカーの代表でも同様で「共存と希望のひとつの形」の具現化であると考えているようだ。
自国開催での優勝を狙うフランス代表にとって、サッカー以外のことでの騒動がこれ以上大きくなるのは悩ましいところだろう。果たして、ヴァルス首相の発言で今回の問題は収束に向かえるのだろうか。
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