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アトレティコ担当記者の悲哀。どうしても手が届かないCL。退職願に綴られた悲嘆

ここ3シーズンで2度目のチャンピオンズリーグ決勝進出を果たしながら、いずれも悲劇的な形で戴冠に到らなかったアトレティコ・マドリー。ロヒブランコが欧州制覇を成し遂げられなかったことは多くのサポーターに悲しみを与えた。担当記者も例外ではない。スペイン『マルカ』紙、アトレティコセクションのチーフを務めるバルベーロ記者は、決勝後にその思いを退職願になぞらえたコラムで綴った。(文:アルベルト・ロメロ・バルベーロ/翻訳・序文:江間慎一郎)

text by アルベルト・ロメロ・バルベーロ photo by Getty Images

退職願になぞらえられたコラム

アトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督
アトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督【写真:Getty Images】

 28日のチャンピオンズリーグ(CL)決勝で、PK戦の末にレアル・マドリーに敗れたアトレティコ・マドリー。1974年のチャンピオンズカップ決勝バイエルン・ミュンヘン戦、2年前のCL決勝マドリー戦と、試合終了間際に同点に追いつかれ、敗れ去った過去2戦に続き、悲劇的な形で欧州制覇を逃している。

 決勝翌日となる29日付のスペインのスポーツ新聞『マルカ』には、アトレティコセクションのチーフを務めるアルベルト・ロメロ・バルベーロ記者による、チャンピオンズのトロフィーにどうしても手が届かぬ失望を美しく綴ったコラム「Hasta aqui hemos llegado(ここまでたどり着いたのだ)」が掲載され、反響を呼んだ。この傑作コラムを許可を得て、ここに翻訳転載する。

『欧州フットボール批評 special issue 01』に「F・トーレスが誓うアトレティコへの忠誠。“エル・ニーニョ”とロヒブランコ、純愛の物語」も寄稿していただいたバルベーロ記者は、普段はアトレティコの試合レポートを担当。客観性を意図的に逸脱しながら、アトレティコ愛にあふれた私的かつ詩的なる描写でファン心理をつく技術は、スペインのスポーツジャーナリズムにおいても、唯一無二とも言える個性を放つものだ。

 バルベーロ記者は今回のコラムを、退職願になぞらえた。差し出がましくも、その趣意を大まかに説明するならば、「2年前、アトレティコがリスボンでチャンピオンズリーグに優勝していたならば、仕事をやめるつもりだった。そして今回、ミラノで優勝できなかったから、仕事をやめる」というものである。

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