フランス代表から外れた、カリム・ベンゼマ【写真:Getty Images】
EUROのフランス代表から外されたFWカリム・ベンゼマは、自身の召集外についてディディエ・デシャン監督が周囲の圧力に屈したと思っているようだ。1日、スペイン紙『マルカ』が報じている。
同日のマルカ紙の1面に大きく掲載されたベンゼマの写真。そして「デシャンはフランスの人種差別主義グループの圧力に屈した」という文字。これは、先月末に同国サッカー界のレジェンド、エリック・カントナ氏が、北アフリカ系というベンゼマの出自が召集外の理由であると述べ波紋を呼んだことに端を発する。
この件について初めて口を開いたベンゼマは「デシャン監督が、レイシストだとは思っていない。だが、彼はそういうグループからの圧力に負けたのだろう」と述べ、「少なくとも監督一人の決断かどうかは分からない。なぜなら自分は、監督とも、サッカー連盟の会長とも、他のみんなともいい関係を持っているからだ」と続ける。
そして「フランスではこの直近2度の選挙で、過激な思想の政党が躍進していることを知るべきだ」と政治的な圧力の存在を示唆した。
また、代表を外れる直接の原因とされている、代表チームメイトのマテュー・バルブエナへの脅迫問題についても「真実を知っているのは彼一人だ。だが、彼は真実を話していない」とコメント。「皆、俺や周りの人間を非難するが、もし本当に悪人ならば、リヨンで5年、レアル・マドリーで7年もプレーし、こうして今ここにいるはずがない」と語っている。
ベンゼマの代表招集の是非を巡ってはフランスを二分する大騒動となった。最終的に自宅からEUROを観戦することとなった同選手だが、果たしてフランス代表は結果を残すことはできるのだろうか。
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