長友佑都【写真:Getty Images】
日本代表の事前合宿に参加している長友佑都は、自分たちの後進がなかなか台頭してこないことに少なからず危機感を募らせている。28日の練習後に報道陣に対して口を開いた。
「僕が見ていてうまくて能力ある選手は沢山いるので、あとは経験から得る自信かなと思うんですよね。海外での経験とか国際試合というのは経験を積まないといけないとは思いますけど」
今季の長友は少ない出番の中で重大なミスを犯し、チャンスを生かせないことがあった。その経験からも日々学び、成長のためにストイックに練習に打ち込んだ。そしてロベルト・マンチーニ監督の評価を取り戻し、シーズン後半戦は主力としてピッチに立つチャンスをものにした。
どんなに細かいことにもこだわって自己の成長に努める、愚直に課題を突き詰めていくメンタリティが重要だと長友は語る。そして後に続く若い選手たちに自分の経験に基づいた熱いメッセージを送った。
「僕や(本田)圭佑とかオカ(岡崎選手)とかもそうだけど、能力があると言われた選手ではない中でもしぶとく残り続けている、世界でも戦い続けているのにはやっぱり理由がある。そこには彼らの努力があって、どんな時もブレないメンタルと、ブレない姿勢というものがあって、そこって僕は選手として一番大事なものだと思うんですよ。
生き残るかどうか、結局勝負を分けるのはディテールにこだわっていけるかどうかとか、どんな時もブレないメンタルを持っていられるかどうかだと思うんですよね。若い選手たちのサッカー選手としての能力はもちろん僕らよりあるので、それを生かすも殺すも自分の精神というか、メンタルだと思う。
常にチャレンジし続けることから得られる自信だったり、ミスをしても修正して課題を見つけて、またそれよりももっと努力のできる、その精神が彼らに身についた時にすごいところにたどり着けるんじゃないかなって僕個人的には思う」
世界の強豪で日々ギリギリの戦いを勝ち抜いてきた長友の言葉を若い選手たちはどう受け取るのか。常に自分の心に問いかけ、自分の中の自分に勝利した者だけが日本代表のユニフォームを纏う資格を得られるのかもしれない。
(取材:元川悦子)
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