日本代表のトレーニングに参加している川島永嗣【写真:編集部】
海外組による日本代表トレーニングに参加しているGK川島永嗣は、スコットランドへ移籍したことで成長する喜びを実感している。26日の練習後に報道陣の取材に応じ、今季の戦いや将来への思いを語った。
「33歳になっていろんなことを経験しても、スコットランドに行ったり新しい経験をするともっと自分自身が成長できるんじゃないかなって思うことは多い。そういう意味では自分のピークはまだまだこれからだと思っているし、もっと成長していきたい」
ベテランになっても向上心を抱き続けられるのはスコットランドで新たな国のサッカーに触れただけでなく、チームのキーマンとして残留争いを戦ったからでもある。川島はダンディー・ユナイテッドでの半年間を冷静に振り返った。
「チームの状況は絶望的だったし、自分自身も新たな挑戦ってことでそのすりあわせっていうのも簡単ではなかったですけど、いい方向にいった部分もあるし、自分一人で何かを変えるってことはないですから、チームの一員としてやれることはまだまだあったかなと思う。
自分は残留を期待されてチームに行ったわけですし、そういう意味ではチームを残留させられなかったことで自分に対してもいろいろと考えていかなきゃいけないと思う。それとは別に、そういう経験ができたのは大きかった。残念な気持ちともっとこういう経験を生かして成長していきたいなって改めて思った期間でした」
川島が加入した当初のダンディー・ユナイテッドはぶっちぎりのリーグ最下位で、結局最後まで浮上のきっかけをつかめず2部降格が決まった。だが、その経験からくる悔しさや無力感が33歳の守護神を駆り立てている。
「選手として年齢を感じてやることはないし、自分も33歳だけど33歳だと思ってやってない。ピッチの上に立てば年齢は関係ない。W杯や海外でのプレーを経験した中で見え方が変わっていくし、やれることもかわっていく。そういう部分(これまでの経験)をプラスアルファとして出せるというのもある。ピッチに上に立てば勝ち負けしかないし、そこに年齢は関係ない」
ベテランになっても若手の頃のような野心を失わず、貪欲に自己の成長を追い求めるその眼は常に先駆者でありたいと考える熱い炎が宿っていた。川島永嗣の挑戦と成長に終わりや限界はない。
【了】