最後まで悩まされた怪我人問題
ペップの怒りが爆発した。
「アトレティコのゴディンは素早く回復した。なぜ君たちにはそれができない? どうして怪我人の復帰にいつも長い時間がかかるんだ?」
5月3日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)の準決勝、アトレティコ・マドリーとの2ndレグを終えた後のことだ。5月6日付の『ビルト』紙によれば、ロッカールームで、ペップが医療チームに食ってかかったのだという。2戦合計スコアは2-2だったが、アウェイゴールの差でCLの敗退が決定した。
ペップ・グアルディオラが率いる最後のシーズンとなった今季も、バイエルンは「怪我人」の問題に悩まされることになった。
昨季の終盤にリベリーとロッベンを欠いたバイエルンは、同じくドリブラーのコスタをプレシーズンに獲得し、移籍市場の終了間際にはコマンをレンタルで獲得する。メッシと歩んだバルセロナ時代のように、ペップはバイエルンで怪物を中心に据えなかった(ゲッツェを冷遇した理由はこの当たりにあるのかもしれない)。バリエーション豊かな総合力とともに、ウイングの力を最大限に活かそうとする。
リベリーがほぼ全てを棒に振ることになった前半戦で、コスタはバイエルンの顔となった。未知数だったブラジル人ウインガーは、開幕節ハンブルガーSV戦で早くも1G(ゴール)1A(アシスト)と結果を残す。第2節ホッフェンハイム戦では1人少なくなったチームの窮地を2Aで救った。負傷離脱することになる第14節ヘルタ戦までに12Aを記録する。
ロッベンもまた、プレシーズンに間に合ったものの、9月の代表戦で負傷して復帰と離脱を繰り返すことになったが、コスタとコマンは2人の主翼の代役を十分に果たしたと言えるだろう。前半戦のコマンは3G2Aと数字こそ少なかったが、14試合中8試合に先発フル出場し、チームの戦いに貢献した。