決勝点を挙げたジェシー・リンガード【写真:Getty Images】
【クリスタル・パレス 1-2 マンチェスター・ユナイテッド FA杯決勝】
イングランドのシーズンを締めくくるFAカップ決勝が現地時間21日に行われ、クリスタル・パレスとマンチェスター・ユナイテッドが対戦した。
両チームの今季直接対決はユナイテッドの1勝とスコアレスドロー。リーグ戦の順位も5位のユナイテッドに対しクリスタル・パレスは15位と差が開いている。
前半はその差を象徴するようにユナイテッドがボールを支配して試合を進め、何度か決定機を作った。25分にはコーナーキックにフェライニが打点の高いヘディングでゴールを脅かし、33分にはラッシュフォードの右サイド突破からマルシアルがフリーでシュートを放ったが、いずれもゴールネットを揺らすには至らなかった。
対するクリスタル・パレスは両サイドを形成するザハやボラシーのドリブル突破を起点に攻撃を試みる。しかし、こちらも回数と精度が伴わずゴールには結びつかない。前半は両チームスコアレスで終了した。
こう着状態が続く中、61分にユナイテッドが決定機を迎える。右サイドを上がってきたバレンシアのクロスにマルシアルがフリーで合わせるも、ヘディングシュートはゴールポスト直撃。この試合2度目のビッグチャンスを決めきれない。
スコアレスのまま終盤に差し掛かり、78分に試合が大きく動く。6分前に途中出場したばかりのパンチェオンがウォードからのロングパスを受けて左から仕掛け、角度のないところから強烈なシュートを突き刺しクリスタル・パレスに貴重な先制点をもたらした。
だがユナイテッドも負けていない。81分、ルーニーがピッチ中央から強引に突破を図り、右サイドの深い位置までドリブルで持ち込んでクロスを上げる。そのボールをゴール前で待っていたフェライニが胸で落とし、最後はマタがボレーシュートを沈めて失点からわずか3分で同点に追いついた。
両チーム一歩も譲らず延長戦に突入し、拮抗した展開が続く。しかし延長前半終了間際にボラシーを倒したスモーリングが2枚目のイエローカードを提示されて退場処分となり、ユナイテッドは窮地に追い込まれる。
延長後半、10人のユナイテッドに一筋の光が射し込んだ。110分、右サイドを上がってきたバレンシアがグラウンダーのクロスを送ると、クリスタル・パレスのDFが足を出す。一度はクリアされかけたボールを後半から途中出場のリンガードがダイレクトボレーでゴールに叩き込んだ。
最後は10人でしっかりと守りきったユナイテッドは、クリスタル・パレスに反撃を許さず1-2で勝利。12年ぶり12度目のFA杯制覇を成し遂げた。
【得点者】
78分 1-0 パンチェオン(クリスタル・パレス)
81分 1-1 マタ(マンチェスター・U)
110分 1-2 リンガード(マンチェスター・U)
【了】