ラツィオを退団するミロスラフ・クローゼ【写真:Getty Images】
まるでワールドカップの決勝戦かのような感動的なグランド・フィナーレ。ラツィオから退団することが決まっているミロスラフ・クローゼは、サポーター達への最後のゴールを置き土産にチームから去って行った。
「ミロ、ミロ、ミロ」とスタンドから一斉に大合唱が沸き起こる。その声に押されるかのようにフェリペ・アンデルソンからボールを渡されたクローゼは、最後の任務を全うした。15日、イタリアセリエA最終節が行なわれ、ラツィオはアウェイでフィオレンティーナと対戦した。
クローゼはPKキッカーではない。「サポーターが僕にPKを蹴らせたんだ」と『プレミアム・スポルト』で認めると、「僕は決してPKを蹴らないんだ。最初はフェリペが蹴った方が良いと思っていたけれど、上手く行って良かったよ」と感動的な面持ちで答えた。
実は、このゴールにはもう1つ大きな意味がある。そのゴールにより、クローゼがラツィオで決めた得点数は64得点目となり、現在ジェノアに所属するゴラン・パンデフと並んで、イタリア国外出身選手のラツィオ歴代最多得点記録保持者となった。
クローゼは「この試合が僕のキャリアの最後の試合となったかどうかは分からない。僕の代理人とどのようなオファーがあるのかを検討して、それから決めることにするよ」と引退するか、それとも別のクラブへ移籍するかをまだ決めていないことを明かしている。
ラツィオのサポーターから大きな拍手と涙で送り出されたクローゼ。「みんな、心からありがとう。この5年間は決して忘れはしない」。イタリアの大きな思い出を胸に、また新たな居場所を求めて旅に出る。
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